4−04−02
です。
さて
どうにか一段落がついた仕事の監修待ち。
この1日だけはフリーという貴重なホリデーを使って、行って来たぜ、
博物館。
やってたのは

現在、千葉でも大々的にやってますが、なぜかここしばらく急に光が
当たっており、ちゃんとした刷りをまとめて見たかったんで大ラッキーの本年。
埼玉に毛が生えた東京のハシッコから、えっちらおっちら電車を乗り継ぎ
ようやく辿りついた、大田区博物館。もうここどこよ、っつーくらい縁のない土地。
でもついに見られるぜ。あんまり遠すぎたんで、一回茶店寄って
カフェイン補充して、ついでに爆発した便意も片付けた。
うおーし準備は万端。脳がしぼむくらい吸収してやるぜ!

呆然とする俺の横に、自転車でジイサンが現れ「あらー休み?残念」
「昨日休館日だから今日来たのになあ」「自転車でずっと坂上ってきたのに」
「まあ帰りはずっとくだりだからいいけど」なんつー事をのたまう午後の地獄。
俺の名誉の為に言い訳しますが、ちゃんと前日にHPで休館日の確認はしました。
2重のチェックをしたけど、載ってなかったのよー。決して思いついたまま
無確認でバカみたいに出かけたわけではないのんよー。
(と思って泣きながら帰宅後見直したけど、全然違う場所の下に
スクロールしてったらあった。俺これ不親切だと思うぜ。マジで)
そういうわけで運がなかったんすが、たぶん本格的な総入れ替えに違いない。
すでに前期中期を逃し、残るは後期のみですが、ここの図録が異様なレベルで
よく出来ており、大田区の税収の高さによる福利厚生の充実振りを誇示するが如く
超豪華で内容も立派。大田区博物館おそるべし。
川瀬ハスイについて説明すると
浮世絵が進化の巨樹の中、恐竜のように繁栄、衰退し絶滅してしまったとするなら
漫画はそのテイストを残しつつ生き残っている鳥類と言えましょう。
とすると川瀬巴水なんかの新版画と呼ばれる近代の版画は、恐鳥に近い特殊な存在で
その後にあまり受け継がれているものがなく、これまた絶滅と言えます。

恐鳥ってあんまり聞かないけど、実はもの凄い連中なわけで、
たとえば現生の大型鳥類のくちばしというと、外層をケラチンというタンパク質
つまり角質が積層された丈夫なシェル層で構成し、その内側はケラチンの
ハニカム構造による発泡体で軽量さと強度を維持しているというカルシウムによる
硬質発泡ウレタンみたいな構造のスーパーケラチナミン状態なわけです。
そんなのを備えている生物が現在の10倍くらいのサイズだったわけです。

嘴表面部はおそらくモース硬度で言えば2から3の間程度だとは思いますが
それが強靭な筋繊維に支えられた1mを越える頚椎の先に、
直径30センチサイズの尖った塊としてついているという事実。

そんなカタマリを使って、3mの高さから野生のフルパワー攻撃の場合、
どれほどの運動エネルギーがくちばしの先端に集約して、俺の頭を直撃するかと思うと
小便チビリもんです。

もうドングリか豆菓子みたいに食われちゃうぞ。恐鳥こわい。
というわけで川瀬巴水の攻撃力はそれくらいある、という説明でご理解いただけたでしょうか。
なに、わからない?コノヤロウ。
想像力とおミソが少し足りてねーんじゃねーのか。ちったー勉強しろ。
で、
そういう素晴らしい先人に挑むべく、こちらも新たなアプローチを
模索しているわけですが、現段階での結論がこちら。
今回のサイズは色紙サイズに収まるようにしてますが
なんでかというと、こういう事を考えているわけです。

これはホトショ加工。リアル額は後で探してくる予定。
額装可能な造形表現。現在名前考え中。んー、稲妻額徒、とかかな。
まだわかんないすが、まあどうせそんな系統す。
とにかく額装シリーズということで確かな彫刻感、
既存のフォーマットに従ったサイズ感、
それでいて現代のフィギュア感も備えたまま、というのを条件に
今後いろいろなテーマに挑もうと思ってるわけですが
それだけではイマイチなんか足りない。
というわけでいろいろ考えた結果、組み込んだのが
首の可動。
なんつーかやっぱただの額造形だと寂しいじゃないすか。
毎日ちょっと触るみたいな位置にこういうのあるといいな。
俺だったらレミントンの彫刻とか毎日ペタペタ触りたい。
作品として完成品として独立してても、遊び感は必要す。
しかし本来イメージしている完成まで、あと3段階ほど進化しないと
ダメなので、少しずつ進化する予定。まー見てろって。
最終的にはハスイにも負けないのをやってやろうと思っております。